Exhibition

Heavy Pop 「これまで」を「これから」へつなぐために

照屋勇賢(Yuken Teruya)

※会場入場はありません。外からの閲覧のみの開催となります。24時間いつでも閲覧可能となります。

照屋勇賢(Yuken Teruya)
1973年沖縄生まれの現代美術家。多摩美術大学卒業後、ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ大学院(MFA)修了。紙袋など身近な素材を用い、自然や社会、沖縄の歴史をテーマに作品を制作。
主な展示にグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、シドニー・ビエンナーレ、上海ビエンナーレ、横浜トリエンナーレなどがあり、世界各地で作品を発表している。

 

Heavy Pop 「これまで」を「これから」へつなぐために

 風船はひとたび手を離すと、空のどこまでも遠くへと自由に飛び立っていきます。一方、78年前に多くの命を奪った沖縄戦の証言者でもある戦争遺物は、今なお土の中に残されて、流れる時間の中で風化していこうとしています。こうして私たちが立っている美術館の下にも、まだ人知れず残されているのかもしれない砲弾の欠片。人の目に触れぬ戦争の痕跡たちは、記憶の風化に伴って、まるで地下深くへとどんどん沈んでいくかのようです。

 ふわふわと自由に空へ飛んでゆく風船は、今まさに忘れ去られようとしている、とても大切な重たい「これまで」を、はるか先の「これから」まで運んでくれることでしょう。

 

ギャラリーステイトメント

戦争時代の鉄片を無数の風船が空中へと持ち上げるインスタレーションです。

本来、地面に落ちるはずの重さが、軽やかなバルーンによって浮かび続けるその光景は、戦争の記憶や歴史の重みと、それを支え続けようとする人々の希望や祈りを静かに象徴しています。

脆く、いつ割れてもおかしくない風船は、平和の不確かさを思わせる一方で、同時に「それでも支え続けようとする力」を感じさせます。

この作品の前に立つとき、私たちは“重さ”と“軽さ”のあいだにある、見えないバランスについて考えることになります。